構成文化財の名称 | |
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指定等の状況 | 国史跡 |
ストーリーの中の位置づけ | 米作りで得た財力で築造された古墳。岩原(いわばる)双子塚古墳は当流域で最大規模の前方後円墳。江田船山(えたふなやま)古墳は出土品のほとんどが国宝に指定されている。 |
文化財の所在 | YAMAGA、NAGOMI |
箇所が特定できない文化財については、大まかな位置を示しています。
構成文化財の名称 | 概要 |
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岩原古墳群 | 菊池川中流域の左岸、岩原台地(標高75m)の北縁近くに位置する県内でも有数の古墳群です。前方後円墳1基、円墳9基の計10基で構成されます。 その主墳となる岩原双子塚古墳は、墳長107mと県内でも最大級の前方後円墳です。埋葬施設は未調査のためわかっていませんが、古墳の形状から5世紀後半頃の首長墓と考えられます。この双子塚古墳の東から北にかけて、9基の古墳が配置されています。いずれも円墳で、東から、寒原1~3号墳、馬不向1~3号墳、塚原古墳、下原古墳、狐塚古墳といいます。 現在、「肥後古代の森鹿央地区」として整備されていますが、隣接する熊本県立装飾古墳館は、熊本県が全国一の数を誇る装飾古墳の専門館で、建築家安藤忠雄氏の設計により、前方後円墳の形をイメージして、平成4年に建てられました。県内の主要な装飾古墳の実寸大レプリカ12基を展示するのが特徴です。また、岩原古墳群の北側には、熊本市北区植木町より移築復元された横山古墳があります。装飾古墳で、双脚輪状文という全国的にも稀な文様が彩色で施されています。 古墳群に植栽された芝生が真緑に色づく5~8月にかけてが見頃です。また、熊本県内の装飾古墳一斉公開(春と秋の年2回)時に、古墳群北側の装飾古墳、横山古墳の公開を行っています。 古墳時代の巨大な前方後円墳や豪華な副葬品などは、その当時の菊池川の豊かな米により得られた経済力を今に伝えています。 |
江田船山古墳 | 江田船山古墳は、和水町南西部の清原台地上に所在する前方後円墳です。 清原台地上の塚坊主古墳、虚空蔵塚古墳とともに国史跡に指定されています。 古墳の長さは62m、周溝を含むと77mになります。構造は三段築成で、左右には祭祀等を行ったとされる造り出し部をもちます。横口式家形石棺の形態や出土遺物等から、5世紀後半築造の古墳と位置付けられています。 古墳の主体部は明治6年に地元の人々により発掘され、豪華な副葬品が多く出土しました。金銅製冠帽や神人車馬画像鏡など被葬者の権力を示す副葬品が多く発掘されましたが、その中でも特筆すべきは銘文が記された銀象嵌銘大刀です。銘文には被葬者「ムリテ」の名前や「ワカタケル大王(雄略天皇)」の名前などが記されており、古墳時代の文書資料として大変貴重な価値を持っています。その貴重さから、大刀を含む計92件の出土品が国宝に指定され、東京国立博物館に展示されています。 |